猫エイズに感染しないための予防策

猫エイズの感染を予防するために

予防のためには外に出さない

猫エイズウィルスの感染力はとても弱いですから、空気感染の心配はまずありません。感染の危険性は、猫エイズウィルスに感染している猫との接触で高くなりますから、予防策の中でもっとも効果的といえるのが、他の猫との接触を遮断するということになります。「完全室内飼い」を徹底すれば、感染の心配もないというわけです。

猫エイズは、猫同士のケンカによって感染するケースがほとんどです。日本の場合、外で暮らしている猫の約12%が猫エイズに感染していると言われていますから、飼い猫であっても、家の中と外とを自由に往き来していれば、感染の確率は極めて高くなってしまうのです。また、感染している飼い猫が外で他の猫に感染させてしまうこともありうるのです。いずれも、室内飼いを徹底することで、感染することもさせることもなくなるのです。(⇒猫エイズの感染経路)


オス猫の感染予防のための去勢

オス猫の猫エイズの感染率はメス猫の2倍にもなると言われています。オス猫の感染率が高いのは強い縄張意識があるからで、発情期に激しいケンカをして感染することが多いのです。オス猫特有の習性を理解し、その行動を制御してあげることで感染は予防できます。そのひとつとして考えられるのが「去勢手術」です。去勢手術をすることで縄張り意識は薄れますから喧嘩をしなくなり、感染の予防にもつながるというわけです。

ただし気性の激しい猫ですと、去勢手術をしても喧嘩をしますから安心はできません。去勢手術をした後も家の中と外とを自由に往き来していれば、感染の可能性はゼロにはなりません。


多頭飼いの感染予防

先住の猫がいる家庭で新しい猫を迎える時には、合流させる前に猫エイズの検査も含め、必ず動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。伝染する病気がないとわかった上で合流させます。飼い主のちょっとした油断から取り返しのつかないことになってしまわないよう、十分な配慮をしてあげてください。

猫エイズの場合ですと、感染してから陽性反応が出るまでに約3ヶ月かかりますから、少なくともその間は先住猫と生活空間を分け、別室もしくは専用のケージで飼うようにしたほうがよいでしょう。(⇒猫エイズと多頭飼い)


ワクチン接種による予防

2008年に猫エイズワクチンの使用が認可されたことで、ワクチンの接種も予防のひとつとして選べるようになりました。ただし獣医師の間では、猫エイズワクチンの予防効果についての評価は必ずしも高いとはいえません。ワクチンを接種して効果があるのはせいぜい約70%ぐらいとされていますし、発病しないまでも、ワクチンの接種で一時的に軽く伝染病にかかった状態になったり、接種後に繊維肉腫という悪性腫瘍になることがあるからです。

ワクチンの接種を希望する場合には、必ず獣医師からの十分な説明を受け、接種するかしないかを慎重に判断するようにしてください。(⇒猫エイズワクチン)



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