猫エイズの検査は一般的に検査キットが用いられる。必要に応じてPCRなどでの検査を行う。

猫エイズの感染を検査する方法

検査キットとPCR

猫エイズウイルスに感染しているかどうかは、検査キットによる血液検査で簡単に診断することができます。ただし、検査キットによる検査はウイルスそのものを検出するのではなく、あくまでも抗体を検出するという簡易な検査方法です。より正確な診断を得る方法としては、PCRなどの検査があります。

PCR(polymerase chain reaction) の検査は、抗体ではなく直接ウイルスの存在を調べる方法ですから、簡易キットでは判別できないケースに対し、正確な診断を下すことができます。たとえば、ワクチンを接種していることによる反応か、感染していることによる反応かを見分けることができますし、子猫の場合であれば、移行抗体によるものか実際の感染かを判別することができるのです。ただ、PCRの検査では10ml程血液を採らなくてはならないため、子猫などには負担が大きいですし、結果が出るまでに1~2カ月かかること、値段が高いことなどもあって、あまり実用化されていません。(⇒検査キットについて))


検査の適切な時期

成猫では、猫エイズウィルスに感染してから抗体ができるまで、個体差はあるもののおよそ2ヶ月~3ヶ月かかります。他の猫と喧嘩するなどして感染が疑われる場合には、感染したと思われる時から1ヶ月経過した後(できれば2ヶ月後)に検査することが望ましいとされています。

また、生後2ヶ月ぐらいの子猫は、エイズウイルスの抗体が陽性であっても、それがエイズウイルスに感染しているためなのか、親からの移行抗体によるものかを正確に判断することができません。生後6ヶ月齢以降に再検査を行い、正確な診断を得る必要があります。里親などに子猫を引き渡す時には、後々のトラブルを防ぐためにも、検査の時期などに対して十分な配慮が必要です。(⇒子猫の感染と検査))


検査後の陰転

通常は、一度抗体が陽性になってしまうと陰性になることはありませんが、ごくまれに、抗体が弱陽性になる猫がいます。このような抗体は長続きしないため、再検査をすると陰性になることがあります。

また、インターフェロンを早期に使うことで陰転するケースも報告されています。(⇒インターフェロンの効果)



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