猫エイズにみられる口内炎の治療方法とステロイド

猫エイズの症状である口内炎の治療

猫エイズの発症と口内炎

猫エイズを発症すると免疫力が低下するため、口内炎や鼻炎、結膜炎、下痢、皮膚炎や外耳炎、怪我がなかなか治らない、目やにや鼻水をいつも出しているといった症状が見られるようになります。また、リンパ腫のがんなども発生しやすくなります。

中でも頻繁にみられる症状が口内炎や歯肉炎ですが、これらはとても厄介な疾病であるため治療が難しく、根治を望むことはできません。根本的な治療方法がないため、その時々の症状にみあった抗生剤などを投与するといった「対症療法」で症状を緩和し、抑えていくという方法が取られます。(⇒猫エイズの治療)


口内炎の症状

口内炎に罹患すると、口の中の粘膜が赤く腫れあがり、ただれ(糜爛)や出血、潰瘍、舌炎等を引き起こします。それと共に口臭がひどくなり、粘液性のよだれが出るなどの症状も見られるようになります。

口内炎は歯肉炎を併発していることが多く、そのために痛みが増幅され、食事に支障をきたすことがあります。最初のうちは、炎症の起きている痛い部分に食べ物が触れないよう、顔を傾けるなどして食事を摂取していますが、症状が進むにつれ患部に食べ物や水が触れるだけでも痛がるようになり、ついには一切の食事が摂取できないという状態にまで進行してしまいます。


早めの治療を

よだれが出ていたり、口臭がひどい、口の周辺を触ると痛がる、口を引っかくような動作をするなどの症状や動作が見られた時には、なるべく早めに動物病院で診察してもらい、治療を受けさせるようにしましょう。

こうした症状を見逃してしまったり、治療をしないままにしておくと、口内炎はどんどん進行し、その結果、衰弱・脱水症状・低酸素症・腎不全や肝不全などが引き起こされ、命を脅かす結果にもなりかねません。口内炎の根本治療は難しいため、抗生物質や抗炎症薬などの投与や、ステロイドやインターフェロンなどによる対症療法が治療の主流となりますが、治療方法については獣医師と相談し、納得のいく方法を選んでください。


口内炎とステロイド

ステロイドは強力な消炎作用を発揮しますから、炎症や痛みを和らげるのには十分な効果を発揮します。ただしその治療効果は一過性のもので、一定期間が過ぎると再び同じような痛みが現われてきます。痛みがぶり返すたびにステロイドを投与していると、投与量が増えたり、長期連用につながることから副作用が懸念されるようになります。

ステロイドの大量投与や長期連用は、免疫を抑えてしまうことから、エイズウイルスがかえって活発化したり、「医原性糖尿病」や「ステロイド性腎症」や、肝臓障害など、さまざまな副作用を引起す危険性があるのです。(⇒口内炎とステロイド)ステロイドは過度に頼り過ぎないことが大切です。


生活の質を高めるために

ステロイドへの依存を避けるためにも、動物病院での治療と並行して、サプリメントを併用したり、生活環境を改善するなどの努力をしてみましょう。猫の負担が少しでも少なくなるよう、食事などにも細かい気配りをしてあげてください。

口内炎は厄介な病気ですが、あきらめてはいけません。気長に根気強く病気と向かい合い、対処してゆくことで、病気を抱えながらではあっも、充実した飼い主との生活を送ることが可能になります。猫のQRL(生活の質)を高めること、それが延命にもつながってゆくのです。(⇒猫エイズと食事管理)



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